広告の構図を考える

駅で電車待ちをしている時になんとなく眺めていたJEXERの広告。
自分もスポーツジムの広告を制作したことがあったので
遠い昔を懐かしんでいるうちに、ふと疑問が浮かんだ。

「なぜこの場面なのか?」

正攻法で考ればランやマシンで筋トレ中のビジュアルを使いそうだし
女性に人気のダンスやヨガのシーンなら面白い動きも出せそうだ。
自分ならインパクトのある写真を狙って少し広めのレンズで撮ってもらうかもしれない。
などと、つい余計なことも考えてしまう。

状況だけ見れば、上着を着ている or 脱いでいる場面であり
運動前なら「やる気」「決意」、運動後なら「充実感」あたりを表現しているのだろう。
この広告は多分どちらにも解釈できるように作ってあるのでそのサジ加減は絶妙だ。

とかなんとか考えてるうちに答えが見つかった。

女性が引っ張っている襟から胸を通って交差するラインは
JEXERの「X」そのものであった。
これは他のジムには真似の出来ないことである。
なんというニクい演出か… 巧いな。
思わず一人ホームでニヤけてしまった。

ためしにガイドラインをひいてみよう。

さらに、このXガイドをそのまま右に移動させると…

女性の目線、その先にあるロゴや文字の位置関係、
肘や腰の角度、右上の直角三角形になった余白などなど。
いろんな要素や導線がXの角度に沿って関連付けられており
なかなかすごい仕掛けが隠されているのであった。

自分のステキはともかく、デザインのステキは見つけてしまったようだ(笑)